エピソード

国境を越えた関係者全員の「本気」の取り組みが、縮小を余儀なくされたエンジニア育成事業を再加速できた原動力。 IT、ロボット技術が革新するこの時代だからこそ、あえて‘人の心’を大切にして事業を創造していきたい。

人材ビジネス業界で働いてきて、心に残っているエピソードは?

時代は少子高齢化、理系離れ。技術立国日本の土台が揺らぎ始めているのではないか。
そんな不安を感じる今日この頃ですが、当社は約10年前からグローバルエンジニアの育成・採用事業を行ってきました。中国の大学と提携し、大学内に当社専用のエンジニア育成コースを設置、日本語・マナー・技術を教え、来日後、当社で正社員雇用した上で、さらに教育し、国内の大手メーカーに派遣するという手間のかかるスキームです。
私はこの事業の立上げの初期から国際部(当時)に所属し、毎年多くのグローバル人材の受入れに携わりました。数年が経過し、事業も順調に拡大しはじめた頃、今も記憶に新しい、リーマンショックが世界中を襲いました。国内を見渡すと「派遣切り」などの言葉も飛び交う時期であり、グローバルエンジニアだけではなく、日本人エンジニアまでもが派遣先の選定に苦労するという事態になりました。様々な社内努力もあり、当社はなんとか人員整理などのいわゆるリストラは一切せずに危機を乗り越えました。
しかし、グローバルエンジニアの育成事業については、縮小を余儀なくされました。事業自体を中止する案もありましたが、その後も小規模の受入は継続し、中国の大学との関係をなんとか維持してきました。それが後に、中国での人材育成事業を進化・拡大させることに繋がります。

そのエピソードで感じたこと、そのエピソードを通じて学んだことは何ですか?

今年、中国の提携大学から、人数を大幅に拡大して採用する方針となりました。これまでの主力大学に加え、関係を継続していた他大学内にも本格的な育成コースを設置し、優秀な人材の採用を行うことになりました。
いったん縮小した事業を再び拡大するには、相当な苦労がありました。
最も重要だったことは、企業として、そしてプロジェクトに携わる者として、相手側に「本気」を示すことでした。このプロジェクトを動かすことができたのは、こうした背景の中で、当社社長を中心に国際部(当時)、プロジェクトチーム、その他関係部門が「本気」で取り組んだことが、事業拡大の動きを再加速できた原動力であったと考えます。
また、中国は人脈社会といわれています。ただ、キーマンを知っている、というだけでは事業の拡大はままなりません。そのキーマンとの信頼関係を構築し、継続してきたからこそ、中国の大学が賛同、協力してくれることとなったのだと思います。
具体的には、このプロジェクトのリーダーであった中国人スタッフを中心に、国際部(当時)のグローバルチームがこの事業を推進しました。育成・採用スキームの改良、大学との交渉、説明会に選抜、これらを大学との交渉、社内での理解を得ながら進めていきます。課題が出る度に会議室にこもりホワイトボードを前に喧々諤々の議論を繰り返し、多くの課題をクリアしていきました。
一方、現地側でこのとき、力になってくれたのが、以前から一緒に人材育成事業に取り組んできた各大学のキーマンの方たちでした。学長レベルに話を通し、関係者との調整に学内を奔走していただくなど、国は違っていても、本当の信頼関係がなければこの事業は立ち上がらなかったと思います。

人材ビジネスで頑張る皆さんへー激励メッセージ

こうして、エンジニア育成コースは再び立ち上がり、このコースで学んだエンジニアが今年の後半には来日し、我々の仲間となります。これら来日したグローバルエンジニアが活躍してこそこの事業は本当の成功と言えます。日本という異国の地に夢と希望をもってやってきたエンジニアたちをこのグローバルチームでこれからも支えていきたいと思います。

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杉本 希世志

株式会社アルプス技研営業推進部国際室 課長

2006年アルプス技研入社。以後、国際事業を担う部署にて9年間従事し、外国人技術者受入事業にも深く関わる。

   
更新日時:2016年02月

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